こんばんは!Runa旅です。
今日は古くは旅の通行手形とも言われた方言についてお話しします。旅行へ出かけますとその地方によって方言を聞くことができます。ものによっては言っていることが分からなかったりすることもあります。しかし、どこの方言もその土地を知るには重要なキーポイントになります。
まず前置きとして、方言は初めから今の様な形で用いられたわけではありません。歴史の流れの中で作り上げられたものと考えられています。そもそも、その土地に住む人々からしてみると方言を話していると言う認識はなかったのです。
誕生の要因は都から地方へ新しい言葉が伝わる伝播だと言われております。この伝播により言葉の地方差が生まれたと言われております。その土地の自然や文化、社会性等が大きく影響したと言われております。
それが明確になったのが明治維新後、近代的な統一国家を作る時のことになります。言葉の地方差が壁となり立ちはだかったのです。そのため東京の言葉をベースに共通語が作られました。
この共通語=標準語の登場により方言という言葉が明るみに出ることになったのです。
方言はその地域で生活する人々の地域文化やアイデンティティを伝える役割を担っております。電話などのない時代には、遠く家を離れてしまった人も地元の言葉が一度聞こえると親戚家族に会えたかのように嬉しかったと言われております。
けれども、近年では悲しいことに方言離れが進んでおります。その要因には様々なものがございます。まず標準語教育により方言に触れる機会が失われつつあります。また、地方からの人口流失により方言を話すことへの抵抗のある方も多くいらっしゃいます。
ユネスコが発表しております資料では日本の方言のうち8つが消滅の危機に扮していると言われております。
それでは、皆さんは“国の通行手形”ということわざはご存知でしょうか?訛りを聞けば通行手形のように育った国(地域)を知ることができるという例えになります。
現在消えつつある方言も一部では方言を残すための取り組みをしている地域もございます。地域によっては地域に伝わる民話や芸能、民謡に触れる取り組みなどが行われております。都市化やグローバリゼーションによる地方からの人口流出。これを食い止めることは少々難しい問題となってまいりますが、幼い頃から触れる機会を設けることで地元を離れた際もことわざのようにお互いの地域を知るきっかけにもなります。
Runa旅はありがたいことに家族も地域の方々も方言をお話になる方が多くおりました。そのため幼い頃から方言に染まり育ってまいりました。現在ではご案内の際にも方言を交えてお話しさせて頂いております。ぜひ旅行の際にはその土地土地の歴史や風土、文化の産物である方言にも触れていただき新たな発見をしていただければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。