現役バスガイドの旅

【九州】秋の味覚と歴史旅〜巨峰・栗・温泉に刻まれた物語

巨峰 栗

皆さまこんにちは。Runa旅です。

秋といえば“実りの季節”!ただ食べるだけでなくその味覚に込められた歴史や文化を知ると、旅がもっと豊かになります。そして、食べた後は温泉でゆったりするのも旅の醍醐味ですね。

今回はぶどう狩り・栗拾い・温泉 を中心に、旅みやげ文化の歴史も交えながら秋の旅へご案内いたします。

久留米の巨峰|昭和に生まれた“果物の王様”

福岡県久留米市では、昭和11年(1936年)、ついに大粒で甘み豊かな品種 “巨峰” が誕生いたしました。

欧米産のぶどうに負けない品種を日本でつくりたい。そんな思いで研究が重ねられました。そして、ついに久留米の土壌で誕生ましたのが巨峰でございます。その後、全国に広まり、秋の味覚を代表する存在として知られるようになりました。

最近では巨峰だけでなく、シャインマスカットなど様々な品種を楽しむことができます。

熊本の栗|縄文から続く秋の恵み

栗は縄文時代から食べられてきた日本最古級の栽培植物と言われております。熊本の山間部は良質な栗の産地として知られております。

そして、江戸時代には 参勤交代の際に栗菓子が献上された記録もございます。

農園での栗拾いは、ただのレジャーではなく、縄文から江戸を経て現代へと続く食文化を体験できるひとときなのです。

お昼は名物を食べよう!

フルーツ狩りと共に楽しんでいただきたいのがその土地の名物です。

土地に根付いた文化と共に愛され紡がれてきた食文化を感じて見てください。

筑後うどん

筑後地方ではその名も“筑後うどん”がございます。江戸時代には旅人達も楽しんだと言われております。柔らかい麺が特徴の筑後うどん。

そんな地元の人から愛されたその味をぜひ楽しんで見てください。

久留米ラーメン

その他にも、とんこつラーメン発祥の地久留米で味わっていただきたいのが“久留米ラーメン”です。澄んだスープを沸騰させたことにより偶然完成したコクのあるとんこつラーメンはうどんに並んで地元の人に愛されてきた味です。

久留米の焼き鳥

そして、お酒のお供におすすめなのが久留米の焼き鳥です。

久留米の焼き鳥は、B級グルメとして知られております。そのメニューの中でも“ダルム”という串がございます。“ダルム”とは医学用語(ドイツ語)で“腸”を指します。医学生がホルモン串のことを“ダルム”と呼び始めたのがきっかけとされております。

馬刺し

そして、熊本といえば馬肉生産量日本一の名物として知られております。加藤清正公が朝鮮出兵の際に軍馬を食べたことが起源とされる馬肉文化が根付いております。低カロリー・高タンパクな食材としても知られております。昭和30年頃には飲食店でも取り扱われるようになり広く親しまれるようになりました。

太平燕

その他にも、ぜひ試していただきたいのは“太平燕”でございます。

明治期に福建省から長崎や熊本へ渡ってきた華僑の方々により伝えられたとされております。正月や祝い事の際に食べられていたスープ料理がルーツとされております。高級食材とされる燕の巣の代わりに揚げたゆで卵、フカヒレの代わりに春雨を使って作ったと言われております。

歴史を味わうゆったり温泉

そして、遊んだあとは温泉でゆったりと過ごしたいものですね。九州は歴史ある温泉の宝庫でございます。

山鹿温泉(熊本) … 平安時代の『延喜式』に記録。参勤交代で肥後藩主も利用した名湯。

黒川温泉(熊本・阿蘇) … 江戸期から湯治場として知られ、今は露天風呂めぐりで人気。自然と調和した宿が並びます。

原鶴温泉(福岡) … 江戸期には筑後川の川湊として栄えた地に開かれた温泉。川沿いの景観とともに「美肌の湯」としても名高いです。

日田温泉(大分) … 江戸時代に「天領」として幕府直轄地となった日田。川沿いの宿場町に温泉が整備され、今も旅人を癒しています。

旅みやげ文化の歴史

最後に、旅に欠かせないのがお土産。

江戸時代、参勤交代や伊勢参りが盛んになると「旅先でしか手に入らない名物を持ち帰る」文化が広まりました。

そして、ここ九州でも栗を使った菓子やぶどう酒、温泉街の銘菓などが旅みやげとして愛されてまいりました。

お土産は単なる“物”ではなく、旅の思い出を人と分かち合う文化として根付いてまいりました。


今回は九州の巨峰と栗について近くの温泉とともに書いてまいりました。

ぜひ秋のお出かけの参考にしてみてくださいね。

それでは、本日もありがとうございました。

りんごとぶどうの物語”も合わせてご覧ください。

コメントを残す