こんにちは!バスガイドのRuna旅です。
毎年7月後半から8月初めにかけて、日本列島は一年でもっとも暑い「大夏」シーズンを迎えます。
暑さがピークを迎えるこの時期、「大夏(たいか)」という言葉や、「土用の丑の日(どようのうしのひ)」にウナギを食べる風習を耳にすることが増えますよね。
でも、「大夏って何?」「なぜウナギを食べるの?」と聞かれると、答えに困る方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、バスガイドの目線から、季節の深い意味や歴史的背景、旅とのつながりをたっぷり解説しながら、楽しい夏の観光情報もご案内いたします。
「大夏(たいか)」という言葉は、古代中国の自然哲学「五行思想(ごぎょうしそう)」に由来します。
五行思想では、自然界のすべてのものを「木・火・土・金・水」の五つの要素に分類し、それぞれを四季や五臓、方角などと結びつけておりました。
この中で「火」は夏を司るとされ、最も“火の気”が盛んになる時期を「大夏」と呼んだのでございます。
また、「大夏」はただの季節区分ではなく、繁栄や活力、頂点を象徴する言葉としても用いられました。
実際に古代中国には「大夏」という王朝(夏王朝)も存在し、暦や政治、農業の中核にこの思想が根づいておりました。
日本では「大夏」という言葉は一般的ではないものの、ほぼ同じ時期を二十四節気の「大暑(たいしょ)」が示しております。
「大暑」は毎年7月22日〜23日ごろに訪れ、夏の暑さが最高潮に達する節目でございます。
稲の成長が進み、夏の風物詩である花火、祭り、蝉の声が本格化する時期でございます。
かつての人々は、農作業や日々の暮らしを暦とともに営み、この「大暑」の前後が一年の節目として大切にされておりました。
それではここで「土用(どよう)」の話もしておきましょう。
「土用」とは、実は四季すべてに存在する「季節の変わり目」のこと。
春→夏、夏→秋…と季節が切り替わる前に、「土」の気が強まる期間があるとされており、夏の土用は立秋の直前18日間にあたります。
この期間の「丑(うし)の日」こそが、あの有名な「土用の丑の日」でございます。
さて、「土用の丑の日」といえば、やっぱりウナギ。
この習慣が広まったのは江戸時代のことでございます。発端は、あるウナギ屋さんの相談からでした。
「夏になるとウナギが売れなくて困る…」と商人が悩んでいたところ、博学で有名だった平賀源内がこう助言いたしました。
「“丑の日には“う”のつく食べ物を食べると夏バテしない”と書いて貼ればいい」
それが大ヒット!「う」のつくウナギが縁起物として一気に定着したと言われています。
ちなみに、「う」のつく食べ物はほかにも、梅干し・うどん・瓜などがございます。
それではここで、暑い夏を「楽しむ」旅先をバスガイド目線でご紹介いたします!
「大夏」は古代中国の思想から生まれた夏のピークを表す言葉。
そして「土用の丑の日」は、季節の変わり目を健やかに過ごすための知恵。
これらの言葉には、昔の人々が自然と向き合いながら、命や暮らしを守ろうとしてきた知恵が詰まっております。
ただ「暑いなぁ」と思うだけでなく、「今は“大夏”だ!自然が燃えてる!」と感じてみますと、いつもの夏もきっと少し違って見えて参ります。
今年の夏は、暦と伝統に触れながら、元気に・楽しく・賢く旅をしてみませんか?
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本日も最後までありがとうございました