こんにちは、Runa旅です。
秋の風が心地よくなってくると、ふと恋しくなるのが“温泉”ですね。
今回は、紅葉とともに楽しむ古都の名湯3選をご紹介いたします。
それぞれの温泉には、時代を超えて受け継がれてきた物語があります。
歴史の息づかいを感じながら紅葉と温泉を巡ってみましょう。
京都・嵐山は、平安時代の貴族たちが四季を楽しんだ場所として知られております。
“山が嵐のように色づく”ことから嵐山と呼ばれ、藤原定家や在原業平もこの紅葉を詩に詠んだと伝えられております。
嵐山温泉としての歴史は明治以降ですが、古くから「癒しの地」として人々を惹きつけてまいりました。
渡月橋のたもとに湧く湯は、やわらかな泉質で疲れをときほぐし、紅葉に包まれた秋の旅にぴったりです。
また、渡月橋から眺める夕暮れ。ライトアップされる紅葉を見ながらの散策もおすすめです。
📍アクセス:JR嵯峨嵐山駅から徒歩約10分
有馬温泉の名は、『日本書紀』にも登場する最古の温泉。
神々が病を癒したという伝説をもち、奈良時代には僧・行基、そして戦国時代には豊臣秀吉が愛した湯でもあります。
秀吉はこの地を訪れるたびに湯殿を造り、今でも「太閤の湯殿館」でその歴史を学ぶことができます。
有馬の湯は、「金泉」と「銀泉」の二種類がございます。
中でも鉄分豊富な金泉は赤茶色で、冷え性や疲労回復に効果があるといわれます。
六甲山の紅葉が街を包み、石畳の温泉街に湯けむりが漂う光景はまるで時代絵巻のようです。
湯と歴史が見事に調和した、まさに“秋の温泉文化財”ともいえるでしょう。
📍アクセス:神戸電鉄 有馬温泉駅すぐ
今回最後にご紹介するのは“下呂温泉”です。
ここは江戸の儒学者・林羅山が「有馬・草津・下呂」を日本三名泉と称えたことでも知られております。
その始まりは鎌倉時代。白鷺が源泉の場所を知らせたという伝説にさかのぼります。
江戸時代には湯治文化が広まり多くの人が訪れました。また、飛騨街道の宿場町としても賑わいを見せております。
飛騨川沿いの露天風呂では、紅葉と清流を同時に楽しむことができ、“川湯”の名残が今も息づいております。
湯上がりには、地元名物の「飛騨牛」や「朴葉味噌」をいただきいたいものです。
温泉街の石畳を提灯の灯りが照らす夜は、まるで江戸の夢の続きのようです。
📍アクセス:JR高山本線 下呂駅から徒歩約5分
秋の温泉は、湯に浸かるだけの旅ではありません。
平安、戦国、江戸──それぞれの時代を見つめてきた湯は、まるで「時間を旅する温泉」。
歴史の情景を思い浮かべながら入ると、心まで温まります。
どの湯にも共通しているのは、「人を癒やす力」。
昔の人が湯に救いを求めたように、今の私たちもまた、湯に心を委ねる季節です。
次の休日は、少し足をのばして“歴史ある湯けむり”に包まれてみませんか?